Saturday, October 28, 2017

ジョブ型雇用ではある日突然クビになる


前回の投稿で、自分の身に起きたことがないためにもっとも重要なポイントについて書くのを忘れていた。

自分の出した成果と一切関係なくクビになることがあるのでつらい


この業界で十年ほど働いていて、身近な人で会社の都合でクビになった人を数人、クビになる可能性があった人を10人以上知っている。いわゆる「意識高い系」でも交友関係が広い方でもまったくなく、同じチームまたは近いチームで一緒に働いたことがある人(その後の転職先の場合も含め)だけをカウントしてそのくらい。全員個人の業績には全く問題がなく、部署ないし部署内のチーム自体が解散となりある日突然フルタイムの転職活動が始まる。これは、いつだって自分の身に起きてもおかしくない。

ジョブ型雇用の会社では、各組織、各部署の役割や目標とされていることが明確な一方、その目標や行っている事業自体が、そのチームのあげている成果だけではなく、社会情勢、競合、自社または競合の会社の買収などさまざまな事情で継続が難しくなったとき、ある日突然「解散します。3ヶ月以内に社内で他のポジションを自力で探してください。見つからない場合は退職してもらいます。」ということになる。私が勤務しているのは従業員数万人規模の大企業なのでクビになる前の比較的社内職探し可能期間は長めだが、とはいえその時点で社内の空きがあるポジションに一気に人が集中するので、全員が結局社内で仕事を見つけられるとは限らず、そのうちの何割かは次の仕事が決まっていない状態で会社を去らざるを得なくなる。

そういうことが起きるのは、たいていしばらく利益があがっていないチームであることが多いので全く青天の霹靂で突然クビになる、ということはあまり多くはないが、とはいえこの場合個人のスキルや成果には全く関係がない。あなたがどんなにやりがいのある仕事をみつけて、高い成果を上げて、目標に向かって邁進していたとしても、ある日突然「この事業は会社の方向性と合わないのでやめます。この部署は解散です。仕事を探してください。」と言われるリスクはゼロではない。そうなったときに、企業名や職種名ではなく自分自身のスキルとそれまでに培った人脈でいつでも次の仕事探しができるように常に備えておくために、日頃の業務プラスアルファの努力が必要になる。

つい最近も同僚が 10 月末までに社内転職先を見つけられない場合クビ、という状況で、会社に籍を置きながらも毎日フルタイムで社内外の職探し、同僚が少しずつ次の仕事を見つけていくニュースを聞きながら、来る日も来る日も面接、という日々を乗り越えてやっとなんとか次の職を見つけたばかりである。その同僚の体験談を聞いて、自分は本当にそのストレスに耐えながら就職活動を続けていくことができるのか?と正直なところ不安になってしまった。

そのような場合の退職はジョブ型雇用が一般的な社会では「クビ」とはいえこのようなパターンが就職活動においてネガティブに捉えられることは一切ないので、まあなるようになるのであろうが、社会人生活に用いて必要とされるエネルギーと精神力は、ジョブ型雇用とメンバーシップ雇用ではだいぶ差があるなと改めて思った次第である。

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